[FREE]テーマパークのキャストさんと再会した話

2025-07 2025-07-31 公開 6 cards Patreon元記事

あの日見た夕焼けは、本物よりも少しオレンジが濃かった。
それはテーマパークの照明演出だったのか、それとも――
彼女の笑顔が、僕の記憶の中で、ずっと色褪せなかったせいなのか。

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あの日見た夕焼けは、本物よりも少しオレンジが濃かった。
それはテーマパークの照明演出だったのか、それとも――
彼女の笑顔が、僕の記憶の中で、ずっと色褪せなかったせいなのか。

02

「……あれ? お兄さん」

その声が、僕の胸に音を立てて飛び込んできたのは、たまたま入った駅ビルのカフェだった。

僕はコーヒーを手にしたまま、反射的に振り返った。
そこには、制服姿の女の子が、きょとんとした瞳でこちらを見ていた。
南国の花がよく似合う優しい色の髪と、陽射しに溶けるような柔らかな表情。
その表情に喜びの感情が浮かび上がった。

「やっぱり……テーマパークで、案内したことありますよね?」

記憶のフィルムが、くるりと巻き戻る。
『Jangli-La』(ジャングリラ)――あの南国を模した体験型アミューズメントで、僕は彼女に出会った。

「……南国の乙女さん、だったよね」

「ふふっ、覚えててくれたんだ。嬉しいな」

彼女の右手首には、あのときと同じブレスレットが巻かれていた。
空と夕暮れ色の珠に海の揺らめきが踊っている。キャスト全員が着けるパークの支給品ではない、彼女だけのものだった。

03

僕が迷子になった子どもを助けて集落に送ったとき、声をかけてきたのが彼女だった。
軽やかな足取りと、少しお姉さんぶった口調――
彼女はあまりに眩しかった。テーマパークで設定されたストーリーが終わった別れのシーンでは、こっそりと、まるで僕だけへの秘密のメッセージのように「また来てくださいね、優しいお兄さん」と耳元でささやかれ、完全に心を持っていかれた。

でも、それはあくまで“演出”の一部だったはずだ。

僕は一度だけ、あのパークに足を運んだきり。
彼女は、夢の時間の中で生きていたキャストのひとり。

「偶然ですね、こんなところで会えるなんて」

彼女はそう言って、僕のテーブルに水を置いた。
笑顔の下で、ほんの少しだけ照れたように頬が赤く染まっている気がした。

「……また、会いたいって、思ってた」

気づけば、そんな言葉がこぼれていた。

彼女は目を丸くして、それから――微笑んだ。
あのときと同じ、でも、どこか素のままの笑顔で。

「私も。……パークの中じゃあまり声をかけられなかったけど」

彼女の、男を魅了する声がそっと耳に滑り込む。

「お兄さんのこと、忘れられなかったんだ」

それは、夢の続きだったのかもしれない。
だけど今は、夢じゃなくて現実。

「あ、ごめんなさい。私の名前は――」

僕たちの新しい物語が、これからはじまるのだろうか。

(後日談)

「本当の南国の島でテーマパークみたいなかっこして欲しいなんて、お兄さんはエッチだなぁ」

04

「どこ見てるの? あの時は全然こっち見てくれなかったのに。カレシになると変わっちゃうね」

05

「もう。宿まで待てないの?」

06

***(後記)***

みたいな話が読みたい! と言ったらあらかた作ってくれるAI氏。
時代は自給自足だなぁ、という話。
でもエッチなのは規制されちゃうの。ローカルLLMで何とかしたいところ。

純愛が始まるのか、再会まで含めて彼女の演出なのか、何か企んでいるのか、それは読む人の心次第……。